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明るい開き直りのすすめ(KKロングセラーズ)
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ルポ・エッセイ
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第十一章 挫折をパワーに、小さな一歩から大きく前進

『明るい開き直りのすすめ(KKロングセラーズ)』
[著]岩崎恵一 [発行]PHP研究所


読了目安時間:18分
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高校卒業、進路の選択



 アメリカに留学して四年の月日が経ち、進路を考えなければならない時期が訪れた、その頃が、私にとって有頂天のピークでした。


 無知としか言いようのない世間知らずの私は、皆の無責任な発言を真に受けて、地元の大リーグや他のチームからドラフト指名があると信じていました。最悪でも大学にスポーツ推薦で入学できると高をくくり、卒業を間近にひかえても余裕で過ごしていました。現実はそんなに甘くはありませんでした。


 どんなに良い成績を残しても、何万校もあるアメリカの高校の中で、私と同じくらいの成績を残した選手は山ほどいます。スカウトたちは、お父さんや友人たちと違い、アメリカの高校生が技術面で未完成であることは当然認識しており、成績ではなく資質を重視します。


 身長百七十二センチ、体重五十四キロの野球後進国から来た私などが、リストアップされているはずもありません。その頃、松井選手やイチロー選手ら日本人プレーヤーが大リーグで活躍していたのなら、少しは関係者の見る目が違ったのかもしれませんが、どちらにしてもすべての面で勘違いしていた私は未熟者でした。


 地方新聞に、毎週のように野球以外のスポーツでも取り上げられていた私は、すっかり有頂天になっていました。アメリカには、地方新聞社が星の数ほど存在します。スター気取りだった私は、いくつもある星の中の一つにすぎなかったのです。


 やはりというか当然というべきか、ドラフトにはかかりませんでした。アメリカに残るための手段は、アメリカ人と結婚するか、大学に進学するかの選択しか残されていませんでした。


 結果的には両方だったのですが、その時は大学への進学を決意しました。


 今さら、正攻法で入れる大学は、数多くありません。大学のほとんどは、日本のセンター試験のような役割を持つACT、またはSATと呼ばれるテストの成績と、学業、部活、他の活動を含む高校時代の成績を、入学願書と一緒に提出して合否が決定します。


 ACTもSATも受験の機会が年に数回あるので、日本のセンター試験ほどのプレッシャーはありません。一発勝負ではないので、受験者の本当の実力が出やすいと、個人的には思います。


 当然、大リーグに入るはずだったこの私が、テストなど受けているわけがありません。途方にくれた私は、三年生(アメリカの高校は四年まで)の時にテキサスの高校へ転勤した野球部の監督に助けを求めました。


 どうせ大学へ行くのなら、野球の強い大学へ行きたいし、大学は高校と違って部活はひとつなので、冬でも外で練習可能な南部の大学がいいと思ったのです。


 私のことを忘れないでいてくれた監督は、自分の母校へ私を紹介してくださり、なんとトライアルの結果次第では、授業料と本代を免除してくれるという契約まで取り付けてくれたのです。


 選考会は、監督のおかげで、短距離走と遠投だけのかなりいい加減とも思える私一人の選考会でした。


 私が、唯一アメリカ人に引けを取らない分野での選考会でしたので、即合格の回答をいただくことができました。ちなみに、私の百メートル走のベストは十秒九八、遠投は百メートルです。


プロ野球選手への夢



 大学卒業をひかえ、進路を決めなければならない時期が再び訪れた時にも、大リーグへの道が開けるのではないかと秘かに期待していました。

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