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人生が変わる お金と会社にしばられない生き方
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生き方・教養
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“命短し”と気づいてお金から解放された

『人生が変わる お金と会社にしばられない生き方』
[著]本多信一 [発行]PHP研究所


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◎日本の難局のもと、「他のため」に働く

「すべての面で日本の現状は危機でありますから、私の政権では危機突破内閣として、日本の再生のために力を尽くします!」


 二〇一二年十二月の衆議院議員選挙で大勝して民主党内閣から政権を奪還した()()(しん)(ぞう)総理大臣はこう宣言しました。“危機突破内閣”にしなくては、という安倍総理大臣の現状認識を私は正しいと思いました。私は民主党政権に期待していたのですが、どうも成果が挙げられず、選挙制度の欠陥もあって選挙で敗北し、()に下りました。こうなった以上、再登場の自民党の施政に期待するよりありません。


 たしかに、いまの日本は危機的状況に立たされています。かつて広大な地域を支配したローマ帝国やモンゴル帝国がさまざまな問題から崩壊した姿を、日本が追随しているようにさえ思えます。とくに一昨年(二〇一一年)の東日本大震災と福島第一原発事故は、長らく経済的低迷状態を続けていた日本への「追い打ちの大災害」であり、私などはあのとき、

「うーん、日本はこれでオシマイか」


 と、正直、そう思ったぐらいでした。


 三年前に私は手術を受け、長らく病院生活を過ごした後、退院して自宅療養をしていたため、福島の災害現場をお見舞いすることもできず、自分の無用さ加減をかみしめていました。


 長らく行ってきた無料相談業も、手術─入院─療養生活によって続けられなくなり、やむなく休業することになりました。


 病後は気力・体力が落ちているため、そんな状態のまま、人様の運命を左右するような相談に乗ると「マイナスを与える恐れがある……」と考えて、相談所での活動は自ら中断することとしました。


 そしてもっぱら、個人として「日本人はこれからどのように生きたらよいのか?」のテーマに取り組んで、療養しつつ、日夜、考えてばかりいたわけです。


 もちろん、国の状況が悪化するにつれて、人々は「とにかく、自分だけはなんとかしないといけない」と考え、自分の仕事や収入の安定または確保に精一杯となってしまうものです。その在り方を、私は非難したり、批判したりする気にはなれません。


 しかし、すべての人が「わがことのみ」の人生に走ってしまうと、果たしてその国の全体としての良化は望めるでしょうか?


 人は、他者のために応援または助力をすることによって、「自他共に生きる」ようにしなくてはならないのではありませんか? いえ、一〇人に一人ぐらいは、わが身を犠牲にしてでも他者を助ける在り方が必要なのではないでしょうか。


 あの東日本大震災の折にも、結婚を控えた市役所勤務の女性が、住民を避難させるべくマイクを握って声を限りに叫び続け、自らは津波の大波に()み込まれたという、貴い自己犠牲のドラマが報告されました。また、中国からの若手労働者たちを高台へ誘導し、自らは津波の()(くず)と消えた経営者の在り方も、私の心を揺さぶったものです。


 このような「自らを犠牲にして他者を助ける」ような英雄的営みを、(ばん)(にん)に期待するのはむずかしいでしょう。けれども、津波に襲われる大地とさして違わない、いまの日本の経済的大激動のもとで、「他者のために何かをする」ことは必要不可欠であり、じつはここに“日本再生のカギ”が潜んでいるのではないでしょうか。


◎「お金という名の安定保証装置」から解き放たれる


 かつて私は二十五歳の折、東京大学医学部の畑先生から「尿道ガンの告知」を受け、(おのれ)の死を覚悟しました。しかし、自分の命があと少ししかないのだと知ったときに、私は「お金という名の安定保証装置」から解き放たれ、ようやく収入を求めずに他者のために奉仕する無料相談人生へと入る決心ができたのです。


 そう、私は「自分は、まもなく死ぬ」と悟って初めて、お金から自由になり、自由に自分の意思の通りに生きることができるようになりました。むろん、その旨はお世話になった時事通信社・長谷川才次代表取締役社長(当時、故人)に告げました。


 すると、社長は微笑しつつ、

「自営業へ進むと、お金がかかるからね。あと三年ぐらい勤めを続けて、多少の貯金をしてからにしなさいよ」


 と助言をしてくれました。この助言もあって、実際には無料相談業への突入は三十歳の四月からということになったしだいですが……。


 ですから、大病とか事故で「自分は長く生きられぬ」と思い知らされることは、自由な人生へ羽ばたくチャンスになるのです。また、安倍首相も言われたように、「いまの日本は危機的状況なのだ!」との現状認識をもったら(国が潰れる恐れがあるなら)、もう、自分の保身などは構っていられない、との意識も生まれるでしょう。


 私はもちろん、「人々の安定した生活」も願っていますから、今、ちゃんとした仕事と収入のある方たちに「安定した生活をやめて、社会事業へ進め」なんて言う気はありません。


 しかし一方で、少数の方でも他者のために役立つ社会事業のような方向へ入ってもらいたいとも思います。


 見方によっては、今のいま、安定した生活には遠い人々なら、「お金にしばられない人生」に突入してゆく特典(?)があるのではないか、とも思うのです。


 その「他者のために役立つこと」については、各人が心の中を(のぞ)き込み、自らが少しでも関心・興味のある分野を選んでほしいと願います。もちろん、それらの社会事業系の仕事を始めるときには、「最低限、食べていくためのシステム」も考えてほしいのです。


 たとえば、同志とNPO法人をつくり、スポンサーや寄付者を探すのもよいでしょう。なんらかのアルバイトで、最低限の「住む・食べる」をカバーする方法を考えてみるのもよいでしょう。つまり、私のように、「自分はガンですぐに死ぬ身ゆえ、収入は考えなくてよい」と居直り、無収入の道へ走るのはいささか、危険ですからね。


 実は私、三十歳で()れた人ができて結婚していたのです。なのに、会社を辞めて新宿に無料相談所として五坪のオフィスを借り、毎日、自宅の()(さが)()から新宿まで歩いて往復(交通費がありませんから)、昼食は事務所の「水道水」を飲むだけで三年間、なんていう生活でしたが、その在り方はやはり考えものです。


 見方によっては、好きな人と所帯をもった上、好きな無料相談を仕事とした私は“幸せ者”なんですよね。そしてなんと「尿道ガンも治って、七十代の今日まで長く生きられた」なんて奇跡みたいなことが生じたのはスゴイ幸運といえましょう。

「お金にしばられず、自由に生きる」ことはむずかしいかもしれませんが、断行してみれば生命力の生成に通じ、健康を保つことができる可能性もあります。私はなんと、二十五歳のガン告知以降は自然治癒力のみを頼み、六十代後半で体調をこわし、入院・手術をするまでは、一度も病院を利用したことはなく、薬も()まなかったのです。


 私は、父や友人から「あなたは自分の好きなことしかやらないエゴイスト」と批判されましたが、それは事実なので(かん)(じゆ)するよりありませんでした。


 でも、結果として相当長い間、(ろう)(にやく)(なん)(によ)の皆々様の相談相手になれて、多少は役に立てたことも事実ですから、自分は利他主義であって利己主義(エゴイスト)ではないと考えています。


 この見方はやはり甘いのでしょうか? 普通の常識からするなら、私への批判はあまりにも当然ですものね。


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