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メンヘラの精神構造
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生き方・教養
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第3章 根底に潜むナルシシズムとは?

『メンヘラの精神構造』
[著]加藤諦三 [発行]PHP研究所


読了目安時間:25分
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●実際には、それほど被害に遭っていない場合も

「自分はこんなに被害を受けた」ということばかり言う人がいる。しかし、もしそれが本当なら、その被害を乗り切って、自分が今日あるのは誇れるはずである。それだけの困難を乗り切って今日、自分があるのは、その人の素晴らしい力の証明なのである。


 もしそのように自分の過去を誇れないで、被害を受けたことばかり言っている人がいるとすれば、その人は、もしかすると実際にはそれほど被害に遭っていないのかもしれない。


 単に被害者意識の強い人というだけのことかもしれない。


 いつまでも文句を言う人は、単に神経症的愛情要求が強いから、被害に遭ったように思い込んでいるというだけのことかもしれない。欲求不満の変装した姿が被害者意識かもしれない。


 それともう一つの可能性がある。受け身の人である。相手との関係を常に被害者意識で解釈する。あるいはナルシシストである。


 そうでなければ周囲の人から受けたひどい仕打ちを思い出しながらも「それを乗り切った私」に対する誇りがあっていい。



 フロムは性格類型の中で「受容的構え」(Receptive Orientation)という性格を挙げている。


 親が支配的な時、子どもは親に迎合する。これが従順な「良い子」である。親に本当の意味では愛されなかった人である。


 そうして成長すれば、肉体的、社会的には成長しても、心理的な成長はない。


 そこで愛情飢餓感が強く、愛の問題はいつも愛されることであって愛することではない。


 この受け身の心構えやナルシシズムが、本人を被害者意識の強い人にする。


 受容的構えの人は「愛の対象を選ぶのに無分別でありやすい」とフロムはいう。

●愛されなかった人は、誰かに絡む


 愛されなかった人は、愛する能力がない。でも、もしかしてそれでも人の世話をしようとする人がいるかもしれない。


 しかし、それは手と足を怪我して、包帯を巻いている人が、それでも酔っぱらいがきたら、世話をしようとするようなものである。


 こういう人の被害者意識は愛されるために、「可哀想に」と周りの人から褒めてもらうためである。


 包帯を巻いている人が、けっ飛ばされた。「可哀想に」と言ってもらおうとする。


 愛に飢えている人は、しつこい。一回、「大丈夫?」と言われたら、またするだろう。


 愛されなかった人は、誰かに絡む。自己(れん)(びん)も、同情を求めている。自殺未遂もそう。みんな注目が欲しい。



 絡む人は、こちらが助言や援助を与えれば、相手はありがたがって受けるものだと決め込んでいる。

「おまえの将来を思えばこそ」とありがた迷惑なことをする。


 絡む人の期待に応えないと、「人がこんなに親切にしてあげているのに」と恨む。

「貴方のためなのに」と言う人は、無意識に強い他者否定の構えがある。



 どこの文化にもあるが、「誰も私のことを分かってくれない」という人は日本で多い。


 カレン・ホルナイは怒りの反応の形をいくつか挙げている。


 怒りは自由に表現される場合もあるが、被害が強調される場合もあるという。


 その時に怒りに正当性がなければないほど、怒りは誇張される(to plunge into misery and self-pity)


 怒りという恐怖感に、向き合う人と、逃げる人がいる。


 向き合わないと、怒りは無意識に抑圧されて、例えばうつ病になるようなこともある。


 向き合わないと、怒りはその人の無意識に存在し続けるから、攻撃性は不可避である。


 そしてその怒りや憎しみの変装が被害者意識である。つまり被害者意識は強迫性を持つ。被害者意識を持たないではいられない。


 いずれにしろ怒りは変装がうまいというように、いろいろと変装する。


 対人恐怖では、他者の視線への恐怖は被害者意識となって現れる(註37)。

●ナルシシズムが傷つけられた時に、「どうするか」


 被害者意識は攻撃性の変装した意識である。苦しみは非難を表現する手段である(註38)。


 ある人が「苦しい!」と言う時は、言語的メッセーとしては「苦しい」であるが、非言語的メッセージとしては「あなたが嫌いだ! 殴りたい」という意味である。


 日本人にはプラスの特徴も多いが、日本人のマイナスの特徴を挙げて見ると次のようなものがあるだろう。

1.悲観主義

2.被害者意識

3.自己憐憫

4.犠牲的役割


 これらはみんな「隠された怒り」の表現である。


 攻撃性は、みじめさの誇示など巧妙に悲観主義に変装する。


 悲観主義は巧妙に擬装された攻撃性である(註39)。


 その攻撃性を生み出しているものがナルシシズムである。

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