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それはデートでもトキメキでもセックスでもない 「ないこと」にされてきた「顔見知りによる強姦」の実態
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ルポ・エッセイ
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1.顔見知りによるレイプの実態

『それはデートでもトキメキでもセックスでもない 「ないこと」にされてきた「顔見知りによる強姦」の実態』
[著]ロビン・ワーショウ [訳]山本真麻 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:28分
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「同じ体験をした人の話を聞いたことがありません」

19歳のときにデート相手にレイプされた、ローリ



 知り合いの男性にレイプされることを指す「顔見知りによるレイプ」は、男女関係が常軌を逸してもつれた結果ではない。あなたが女性なら、知り合いにレイプされる確率は、見知らぬ人にレイプされる確率より4倍も高い

『Ms.』誌と心理学者メアリー・P・コスが32の大学キャンパスで近年実施した顔見知りによるレイプについての科学的調査では、かなりの数の女性がデート中に、または知り合いによりレイプされたにもかかわらず、ほとんどがどこにも報告しなかったことが明らかとなった。


〈『Ms.』誌の調査結果〉

・女性回答者の4人に1人がレイプまたはレイプ未遂の被害者だった。

・レイプ被害者の84%が加害者と知り合いだった。

・レイプの57%はデート相手との間で発生した。



 この数値は、顔見知りによるレイプとデートレイプの割合が、左利きや心臓発作、アルコール依存症の割合を超えることを示している。こうしたレイプはキャンパス内の一過性の風潮や、恋人に捨てられた女性の妄想などではない。現実である。それも、身の回りの至るところで発生している。


「隠された」レイプの実情



 ほとんどの州ではレイプはこう定義される。暴力や脅しを用いて、または被害者が身体的、精神的に同意の意思を示せない状況下で、女性の意思に反して男性がペニスを膣内挿入する性的暴行。今は多くの州が、望まない肛門性交と口腔性交もこの定義に含むとしており、レイプ関連法の適用範囲を広げる目的で性別を限定する語を除外した州もある。


 顔見知りによるレイプの加害者と被害者は、ちょっとした知り合いにすぎないかもしれない。同じ活動団体に所属する人、友人の友人、パーティーで知り合った人、隣人、同じ授業を取っている学生同士、同僚、ブラインドデートの相手、旅行中に知り合った人。もしくは、交際相手や性的関係を過去に持ったことのある相手など、より近しい間柄かもしれない。最も報告されない類のレイプであるため大半が隠された事件となっている(そもそもレイプ自体が最も届けの出されない対人犯罪である)が、数多くの組織やカウンセラー、社会調査研究者は、顔見知りによるレイプが最も頻発するレイプであることに同意している。


 1986年に国内の法執行機関に届けが出されたレイプはわずか9万434件であり、これは控えめに見ても、実際に発生したレイプ件数のほんの一部だとされている。政府の見積もりによると、届けが出されたレイプ1件に対し、実際には3〜10件発生しているそうだ。見知らぬ人によるレイプの届け出件数が依然として少ないのに対し、顔見知りによるレイプはほぼ届けが出されないと言っても過言ではない。各地のレイプ相談センター(被害者が治療のために通うが、警察に届けを出す必要はない)の職員たちの所感では、全体的なレイプ件数のうち7080%が顔見知りによるレイプだという。


 顔見知りによるレイプが頻発する背景には、性的加害が日常的に行われている社会環境がある。実際、『Ms.』誌のアンケート調査に回答した女子大学生のうち、過去に性被害に遭ったことは一度もないと回答したのは半数以下だった(回答者の平均年齢は21歳)。多くの女子大学生が意思に反する性的な接触や性行為の強要、レイプ未遂、レイプの被害経験を2件以上抱えていた。この調査で収集したデータを使用して(調査の実施方法はあとがきで説明している)、アメリカの大学キャンパスでたった1年間「社交生活」をする間に何が起きているのかが、次のように描き出された。


〈『Ms.』誌の調査結果〉

・3187人の女性が1年間に起きた被害を次のように報告した

・(法の定義に基づく)レイプ328件

・(法の定義に基づく)レイプ未遂534件

・強制性交837件(加害者からの連続的な主張や圧力に屈して行われた性行為)

・望まない性的な接触2024件(女性の意思に反して行われた愛撫、キス、ペッティング)



 何年も前から、多くの研究者が顔見知りによるレイプ事件を記録してきた。1957年のインディアナ州ウエストラファイエットにあるパデュー大学のユージーン・J・ケニン博士の研究によると、アンケート調査に回答した女性の30%が、高校時代にデート相手による強制的な性行為または性行為未遂を受けていた。それから10年後の1967年、若者が花やビーズを身にまとい「ラブ&ピース」を語っていたさなかにケニン博士が実施した調査では、男子大学生の回答者の25%以上が、女性に性行為を強要して泣かせたり反撃されたりしたことがあると答えた。1977年、女性解放運動が発展し、無数のポップカルチャーが「繊細な男性」を美徳として過剰に持ち上げたがる動きが落ち着いた頃のケニン博士の調査によれば、男性回答者の26%が女性に強制性交を試みたことがあり、女性回答者の25%がレイプ未遂またはレイプを経験していた。言い換えれば、ケニン博士の最初の研究調査から20年が過ぎても、女性が知り合いの男性からレイプされる頻度に変化はなかった。

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