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それはデートでもトキメキでもセックスでもない 「ないこと」にされてきた「顔見知りによる強姦」の実態
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ルポ・エッセイ
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6.顔見知りの女性をレイプする男性

『それはデートでもトキメキでもセックスでもない 「ないこと」にされてきた「顔見知りによる強姦」の実態』
[著]ロビン・ワーショウ [訳]山本真麻 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:28分
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「レイプ犯は2人ともごくごく普通の男性でした。(中略)

外から見たどこにも『レイプ犯』とは書かれていませんでした」

顔見知りの男性によるレイプを2度経験したカレン



 レイプは男性にとって自然な行為ではない。もしそうなら男性のほとんどがレイプ犯となるが、そうなってはいない。にもかかわらず、『Ms.』誌の調査に参加した男子大学生からの回答は、性犯罪や性的暴行の大部分が中流階級の教育を受けた層により犯されているという、はっとする事実を描き出した。


 女性へのアンケートと同様に、性的な行為について男性に尋ねる設問にも「レイプ」という語は用いなかった。代わりに行為を具体的に説明した(たとえば「女性が性交を望んでいないときに、相手を脅して、またはある程度の身体的な力を用いて、性交に及んだことはありますか?」)。結果はこうだ。


〈『Ms.』誌の調査結果〉

2971名の男子大学生が、調査の前年に以下を行ったと報告した。

・レイプ187件

・レイプ未遂157件

・性行為の強要327件

・相手が望んでいない性的接触854件



 アンケートに回答した男性の約8%が、14歳以降に女性をレイプした、またはレイプ未遂をしていた。また75%が、女性が望まない性的な行為を何ひとつとして強制したことはないと答えた。


 レイプ犯は、攻撃性を持たない男性とは複数の点で異なる。週に1〜2回飲酒し、月に1〜3回泥酔するというのは、レイプをしない男性よりも多い値だ。そして割と厳格な家庭で、家庭内暴力(両親が子どもを叩く、または両親が互いを叩く)が月1〜2回発生する環境で育った傾向が見られた。


 性に関する価値観にも違いが見られた。レイプ犯は友人と日常的に「あの女性がベッドではどうなるか」を想像する会話をすると答え、『プレイボーイ』、『ペントハウス』、『クラブ』、『フォーラム』、『ギャラリー』、『ジェネシス』、『ウイ』、『ハスラー』などの成人誌を読む頻度を尋ねる質問には「とても頻繁に」と回答した。また、女性と知り合ってからの時間の長さに関係なく、どのような状況でも性交していいと考えると答えた。初めての性交を経験した平均年齢は15歳過ぎである一方、攻撃的でない男性の平均は17歳だった。


 調査結果によると、レイプをしたことのある男性は、レイプを擁護する思い込みをより信じている傾向にあった。女性を戦いの相手と見なし、ジェンダーロールのステレオタイプを支持し、レイプの予防は女性の責任と見なし、性行為に侵略の要素が含まれるのを普通と考えていた。


 女性回答者がレイプ被害の発生経緯を回答したように、男性は自分が犯したレイプの経緯について設問に答えた。ある点において、男女間で回答内容に一致が見られた。大多数の男性(85%)がレイプした女性と知り合いであり、レイプの半数以上がデート中に発生していた。最も多い発生場所はキャンパス内であり、男性の大多数(74%)が事前にドラッグまたは酒類を摂取した。警察に届けられたレイプ件数は、男性自身が調査に報告した件数のわずか2%に留まった。


 その一方で発生したレイプの特徴に関しては、複数の重要な点で加害者と被害者の間に大きな不一致が見られた。(表3)




 男女の回答が完全に同様になるとは当然予測していない。調査対象の男性が、必ずしも女性回答者の被害に関与したわけではないためだ。それでも右のデータの不均衡、それも特に後半4項目を見ると、男性が力を用いると女性が怖がることを知覚する能力の欠如や、女性の抵抗を事実よりも軽く解釈する傾向があり、不均衡が生まれていると見受けられる。さらには女性が暴行後に恐怖や怒り、絶望を感じたと回答した一方で、男性は幾分か自信を得たと回答した。


 顔見知りをレイプする男性は、そうしない男性とはしばしば異なる行動を取るとはいえ、どちらも見た目は同じだろう。大学ではこの2タイプの男性が講堂やフラタニティ、スポーツチームや生徒会で隣同士に座っているかもしれない。「現実」社会ではどちらの男性も良い仕事に就き、同僚から好感を抱かれ、尊敬されることすらある。ほとんどの側面で、両タイプの男性は相違点よりも多くの共通点を持つ。


単なる普通の男性



 現在は弁護士としてウエストコーストに住むカレンは、名門のイーストコーストウィメンズカレッジの4年生だったときに、キャンパス内で友人を通して知り合った男性にレイプされた。それから数年後、法科大学院での最後の年に、別の顔見知りの男性にレイプされた。被害から10年以上が過ぎた今、カレンは加害者たちがレイプ犯のステレオタイプとはどれほど違ったかを改めて実感している。



 レイプ犯は2人ともごくごく普通の男性でした。1人目はまあまあ魅力的で、2人目はそうでもありませんでした。2人とも頭が良く、意見をはっきりと述べるタイプでした。外から見たどこにも『レイプ犯』とは書かれていませんでした。1970年代の自由な風潮が味方していたのもあり、いずれの男性もセックスのために女性をレイプする必要性などないはずでした。



 しかしデートレイプや顔見知りによるレイプを行う男性には、ごくごく普通の男性以上の何かがあるのだ。

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