『それはデートでもトキメキでもセックスでもない 「ないこと」にされてきた「顔見知りによる強姦」の実態』
[著]ロビン・ワーショウ
[訳]山本真麻
[発行]イースト・プレス
「レイプするのも男性、そしてレイプを終わらせる大きな力を持つのも男性」
著者ティモシー・ベネキ
顔見知りによるレイプの問題には男性も関わるべきだ。なぜなら娘、姉妹、妻、母、ガールフレンドなど愛する人にその事件が降りかかるかもしれないのだから。そう主張する人は少なからずいる。しかし真実はこうだ。娘や恋人が被害者となった男性のみならず、すべての男性が顔見知りによるレイプによって深く傷ついている。数多くの女性に破滅的な影響を残し、「普通の男性」を性的、社会的、モラル的な不良へと貶める行為のせいで、社会全体も男性全般も傷を受けている。
変わるための手引き
顔見知りによるレイプ、いやどんなレイプに関しても、男性も自分たちの問題として理解する必要がある。ティモシー・ベネキは著書『Men on Rape(レイプする男)』に、「レイプするのも男性、そしてレイプを終わらせる大きな力を持つのも男性」と書いている。
男性がその力を役立てるためには、女性やセックスに関する思い込みを改め、行動を変える必要があるだろう。これから述べる11の項目は、レイプ意識喚起活動家が提案する、男性がレイプを阻止するためのアドバイスだ。
①決して女性にセックスを強制しない。仮に女性が「誘った」としても、あなたの友人と寝ていたとしても、最初は「イエス」と言ったがセックス直前に気が変わったとしても、以前あなたとセックスしたことがあったとしてもだ。これには、女性が望んでいない性的な接触すべてが含まれる。キス、勝手に触ること、女性の意思に反した交流を強制することなど、すべてだ。
性的な行為にボーダーラインを設定する権利が女性にはある。あなたにもあるように。パートナーとして、あなたは相手のボーダーラインを理解し、尊重しなければならない。パートナーとの希望が食い違ったら、より多くの行為や進んだ行為を求める方(男女に関係なく)が、もう一方に合わせる。
②女性に圧力をかけてセックスに持ち込まない。言葉で圧力をかけることを男性は女性よりも軽く捉えがちだ。相手を脅す言葉を使わなくても、女性は身の危険を感じることがある。あなたが男性だという事実だけで、威嚇になりかねないのだ。セックスしようと圧力をかけられた女性にとっては、男性の体格、力、社会的な役割、年齢はどれも自分の弱い立場を実感する一因となる。また、女性を騙してセックスに同意させようと嘘をついてもいけない。
③酔わない。そう、先ほど女性にしたアドバイスとまったく同じだ。顔見知りによるレイプの加害者の多く、そして集団での加害者のほぼ全員が事件当時に酒類、ドラッグ、もしくは両方を摂取しており、多くのケースで酔った状態だった。