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EINSTEIN’S BOSS アインシュタインズ・ボス 「天才部下」を率いて、最強チームをつくる10のルール
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第9章 RULE7 リスを無視する

『EINSTEIN’S BOSS アインシュタインズ・ボス 「天才部下」を率いて、最強チームをつくる10のルール』
[著]ロバート・フロマス [著] クリストファー・フロマス [訳]三輪美矢子 [発行]TAC出版


読了目安時間:18分
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天才を一つの仕事に集中させるには?


 天才は、リスを追いかけるラブラドール・レトリバーに似ている。いいアイデアが目の前をフルスピードでかすめたら、あとを追わずにいられない。別の面白そうな考えが目についたら、今度は向きを変えてそっちを追いかけだす。


 面白いアイデアに気を取られるのは、ひとつのことに集中するよりも簡単で心が躍る。


 ラブラドール・レトリバーも、しょっちゅう何かに夢中になったり興奮したりしている。飼い主の横をおとなしく歩くより、リスを追いかけるほうが本能をかき立てられるのだろう。


 天才を率いるリーダーにとって、完璧主義ほど悩ましい敵はない。完璧なアイデアを追い求めると、天才がそれに気を取られて、生産的なことをいっさいしなくなるかもしれない。


 今よりいいアイデアが現れるチャンスはつねにある。リスを追いかけると生産性が下がってしまうのだ。


 いいアイデアを見つけて市場に出すまで集中し続けるのは忍耐がいる。これは、天才の得意なこととは言えない。天才がメンバーを連れてリス狩りを始めたら、チームは本来の目標にたどり着けないだろう。

ビジョンの焦点を絞る


 一九三〇年、フレクスナーの提案する科学機関のビジョンを受け入れたバンバーガー兄妹は、彼を所長に任命して、高等研究所の立ち上げを任せることにした。


 フレクスナーは、高等研究所がすべてにおいてトップに立つのは無理だとわかっていた。そこで、わずかな分野で世界一になろうと、最初は数学に集中することにした。


 そうしてスカウトしたヴェブレン、アインシュタイン、ヘルマン・ワイルは、いずれも世界最高の科学者だった。リソースを集中して限られた領域の超一流を求め、実際に手に入れたのだ。


 このような集中的なアプローチは、イノベーションの創出に欠かせない。進歩は知識の最先端で生まれるからだ。既知の領域のその先へ行くには、ビジョンの焦点を絞らなければならない


 フレクスナーは高等研究所の中核ミッションに忠実だった。高等研究所を科学の発展に特化したオアシスにし、ほかの高等教育機関のように学生を受け入れたり学位を授与したりはしない、というミッションだ。


 ときには、ふつうの大学らしさを望む一部の教授から反発を受けることもあったが、それにも屈せずビジョンを守り通した。


 授業や学生の指導は研究者の時間を奪い、本来の仕事への集中を削ぐというのがフレクスナーの考えだった。「組織という観点から見れば、おそらくわが所は想像しうるかぎり最も簡素で、最も正統から外れている」とフレクスナーは書いている。


 そうした人里離れた僧院のような環境で、高等研究所の天才たちは思う存分、研究に打ち込めた。集中を妨げるものはほとんどなかった。


 彼らの没頭ぶりを見て、イギリスから来た学者の妻がフレクスナーに尋ねたという。「ここではみなさん、夜中の二時までお仕事なさるのですか?」



 焦点を絞ると、密度が詰まって強くなる。まるで釘のように。私はかつて部下の科学者に、目の前にある木製のテーブルを金槌で打ち抜けるかと尋ねたことがある。

「いえ、できないです」とその部下は答えた。「先が尖っていませんから。へこみなら作れるでしょうが、打ち抜くのは無理ですよ」

「じゃあ、釘があれば、金槌でテーブルを打ち抜ける?」

「もちろん」部下は笑った。

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