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反日的日本人の思想 国民を誤導した12人への告発状
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歴史
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第十章 マスコミを左傾化させた放言家・向坂逸郎への告発状

『反日的日本人の思想 国民を誤導した12人への告発状』
[著]谷沢永一 [発行]PHP研究所


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最も無責任な左翼・教条主義者




(さき)(さか)(いつ)(ろう)

明治30年生まれ。東京帝大卒。社会主義協会代表、社会党顧問、九大教授を歴任。社会党左派の理論的支柱。昭和60年没。


マルクスとエンゲルスに心酔した向坂逸郎は、共産主義ソ連においてはマルクスとエンゲルスによって論じられた理想主義が、そのまま理論の通りに運営されていると信じこみ、この世の理想郷であるソ連にくらべて、日本はなんと駄目な国であるかと(わめ)()らす一本調子で、(ぼう)(だい)な著作を残しました。共産主義は絶対の真理であるから、その共産主義を表看板にしているソ連は、世界で最も自由で最も豊かで国民の教養が最も高い国であると、日本人に説教しつづけました。


今も害毒を()き散らす“証拠なき一方的な虚偽中傷(デマゴギー)


 共産主義を固定観念としてかたくなに信奉するのは、ご本人の勝手でしょう。また、その思いつめた信仰を(てこ)として、まだ共産主義になっていない日本の現状に腹を立て、いちいち()(じゆうとめ)のように難癖をつけるのも、あるいは思想の自由であるのかもしれません。


 しかし、わが国の実態をめぐって、世にありもせぬことを現に行なわれているかのように言い立て、なんの証拠も示さず一方的に居丈高に(ののし)るのは、許すべからざる()(れん)()虚偽中傷(デマゴギー)と申せましょう。(さき)(さか)(いつ)(ろう)は、わが国民を責め(さいな)む中傷に専らな扇動者(デマゴーグ)として、戦後日本における最も無責任な放言家の第一人者でした。



 アメリカの軍備(かく)張政策に協力して、日本の軍需工業を(かく)(だい)しようというの、重工業關係の資本家の目先の利益ではあろう。

(昭和2710月『文藝春秋』「日本を危くする思想」)



 この文章が発表されたのは、昭和二十六年九月に桑港(サンフランシスコ)で日本とアメリカなど四十八の連合国との間で対日講和条約が締結され、翌二十七年四月二十八日に発効した、そのわずか半年あとにすぎない時点においてです。


 わが国がようやく独立をとりもどしたばかりのこの時期、国内に、もう()()やと「軍需工業を拡大しようという」動きがある、と向坂逸郎の心眼にはありありと映ったのでしょうね。


 どこに立地する何という軍需産業で、製造されていた品種は何であるのか教えてもらいたいものです。


 もちろん、そういう動向はどこにもありませんでしたが、向坂逸郎の議論が終生一貫してそうであったように、事実の有無なんか彼にとってはどうでもいいんです。日本は憎むべき資本主義国なのだから、資本主義国であるかぎり軍需工業が生まれるのは当然のこと、したがって日本も「軍需工業を拡大しよう」としているに違いないゆえ、それを今から叩いておかなければならない、という神聖な義務感にかられた(わめ)き立てなのでしょう。


 ここまでお読みの読者は、もう十分に納得されていると思います。反日的日本人全般に共通した情念は、事実の有無などとは無関係に、日本を、そしてアメリカを、ただただ反動、反民主的であり、真理を信奉する者の敵であると攻撃することなんですね。なにしろ、「三十二年テーゼ」が「それこそ絶対的な真理」と保証しているのですから。


 共産主義ソ連が破産した今、彼らの害毒はもはや恐れるに()りないのでしょうか。いえいえ、どういたしまして。本書の冒頭でも説明しましたように、彼らは“自己の生存”に関してはなかなかの策士ぞろいで、その子分・亜流を言論界と報道(マスコミ)界に続々と送り出してきましたからねえ。


 そのため、向坂逸郎の妄想は、今も朝日新聞や毎日新聞、さらにはNHKなど、“社会正義”を全面に押し出す報道において、その基調をなす視座となっているのです。


 さて、日本も「軍需工業を拡大しよう」としているというのは、向坂逸郎の立場からはごく当たり前の思考法なのですけれど、アメリカは好戦的な悪い国だから「軍備拡張政策」を推進しているのに対し、共産主義ソ連は平和を愛する善い国だから、「軍備拡張政策」など考えてもいないはずである、という論理が前提になっているのでしょうね。それでなければ、アメリカだけを責めるのはあきらかな矛盾です。


 しかし向坂逸郎だって馬鹿ではないのだから、ソ連が「軍備拡張」を着々と押し進めていることぐらい百も承知でしょう。けれども、それを言っちゃおしまいですから、さしあたりアメリカの側だけを攻撃して話を()らそうとの企みでしょう。さて、それでは軍需産業は、なぜにそれほどイケナイのであるか。



 軍需工業に資本を集中すると、國民の生活水準は下がらざるを得ない。

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