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(2021/11/26 追記)

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詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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小さなことで感情をゆさぶられるあなたへ
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くらし
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第3章 感情に振り回される自分をコントロールするとっておきのヒント

『小さなことで感情をゆさぶられるあなたへ』
[著]大嶋信頼 [発行]PHP研究所


読了目安時間:29分
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本当は何も感じていなかった!


「泣かなければおかしい」と
思われるから泣いていた


 私は、子どもの頃に「泣き虫!」とみんなから馬鹿にされて、親や教師からは怒られてばかりでした。

「わ〜い! 泣き虫!」と言われると「ワ〜ン!」と泣いてしまうから、それを面白がられて近所の子どもたちは私をからかって泣かせます。でも、泣いている時にふと「なんで自分は泣いているんだろう?」と我に返る瞬間があります。

「泣き虫!」なんて言われても別になんともないのですが、子どもながらに分析をしていると、「泣き虫!」と馬鹿にされている私が「母親を悲しませている」という気持ちから涙が出てきている、ということがわかりました。


 別に馬鹿にされて悔しいわけではなく、母親を悲しませている自分が悔しい、という思いから涙があふれてきていたのです。


 でも、家に帰って母親に「なんで勉強をしないの!」と引っぱたかれても涙が出てきます。さっきまで「母親に申し訳ない」と思って泣いていたのに、今度の涙は「泣けば母親は叩くのをやめてくれるかもしれない!」ということから泣いているのかもしれない、と泣きながら分析します。


 ところが、「なんで泣いているの! パシン!」とビンタが(ほお)(さく)(れつ)して、鼻血が飛び出します。「あれ? 泣いても母の怒りは止まらない!」。怒られるのが夜遅くまで終わることはありませんでした。



 そんな私がカウンセラーになってクライアントさんの話を聞いていた時のことです。突然クライアントさんが「夫が私のことを相手にしてくれなくて悲しい〜!」と涙を流し始めることがありました。


 これまで、一生懸命に家事をしたり、子育てをしてきたのに夫はちっとも自分のことを認めてくれず、話も聞いてくれなかった、とぼろぼろ涙を流し始めたのです。


 普段のカウンセリングだったら、クライアントさんの感情が伝わってきて、私の目からも涙があふれてくることがあるのですが、なぜかこの時は、心が醒めてしまっていて「なんで泣いているのだろう?」と思ってしまいました。


 そこで、クライアントさんに「すみません、失礼なことをお聞きしますが、そんなに(だん)()さんのことを大切に思っていらっしゃるんですか?」と質問してみました。


 すると、さっきまで、ぼろぼろと涙を流していた方が、ケロッとして「え? なんで私が旦那のことをどうでもいい! と思っているってわかったんですか?」と言うのです。


 どうやら、近所の奥さんたちと話をして、みんな「旦那さんから大切にされている」という話をするから、自分は大切にされていない! と泣かなければおかしいのかも? と思った、とおっしゃったのです。


 そんな時に過去の自分を思い出して「あ! あの時の私も周りからあんな状況で泣くことを期待されていて『そんな状況で泣かなきゃおかしい』と思っていたから泣いていたのかも?」と気がついてしまい、ちょっとおかしくなってきました。


 みんなが見ている時には泣いていて、みんなの目がなくなるとケロッとしておやつのこととか考えていましたもんね。人の目がなくなると感情をゆさぶられない自分がそこにいました。


怒らないと馬鹿にされる、
と思うから怒りを演じている


 怒りで感情をゆさぶられるのも似ているな、というエピソードがありました。


 スーパーのレジに並んでいたら、突然おばちゃんが横入りをしてきました。その時私は「変なおばちゃんだな〜!」と思ったのですが、次の瞬間にレジ係のお姉さんの冷たい視線を感じました。その瞬間です。「ムカムカ!」と怒りが湧いてきて、入ってきたおばちゃんに「みんな並んでるんだから横入りしたらダメでしょ!」と大声で怒鳴ってしまいました。


 周りはシーン! となってしまって、おばちゃんは固まっていましたが、私を無視してさっさとレジに進もうとします。その時の周りの人たちの視線を感じて「ムカ! ムカ! ムカ!」とさらに怒りが湧いてきてしまった私は、「いい加減にしろ!」と怒ってしまいました。


 と同時に「はっ!」と我に返ります。今、自分が怒っているのって、おばちゃんに対してではなくて「怒らないと周りのみんなから馬鹿にされるからでは」と、気がついたのです。


 レジの人の(けい)(べつ)した視線が私に送られてきたことで「ムカムカ!」としたのです。そして、おばちゃんに怒らなければ、となった自分がものすごく(こつ)(けい)に思えてきました。



 ある時、「パートナーの浮気が発覚した」という話をされた方がいました。でも、淡々と語っていらっしゃって、怒りも悔しさもなんにも表現されなかったので、「これは、おかしい!」と私は思いました。

「普通、浮気をされたら怒りや憎しみでドロドロになるよな!」と考えます。私だったら、と考えただけでも自分の感情をゆさぶられてしまいそうで恐ろしくなります。ですから、一生懸命その方の中から“怒り”を探そうとしたのですが、まったく見つけられません。


 すると、その方から「どうして浮気をされたら怒らなければいけないんですか?」と逆に質問されてしまいました。


 自分が「(さげす)まれている」とか「(うそ)をつかれて(だま)されている」ということで怒るのかも? とお伝えすると、今度は、「蔑んで馬鹿にしてやろう! と思って浮気をしたわけではないでしょうし、騙してやろう、と思ったわけでもない。

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