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イタリア好きの好きなイタリア
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旅行
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第八章 プーリア/ヴァッレ・ダオスタ/カンパーニア 愛すべき三人のイタリア男

『イタリア好きの好きなイタリア』
[著]松本浩明 [著] 萬田康文 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:13分
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 僕が取材や仕事で会うイタリア人には、日本人がイタリア人と聞いてイメージする、おしゃれだったり、イケメンだったりする人は、あまりいない。


 もうひとつ、日本人がイタリア人に抱く先入観には、働かない、怠け者というのもあると思う。ところが、僕が出会ったイタリア人はみんな働き者でじつに勤勉だ。


 イタリア人はフレンドリーで、享楽的、そして陽気であるというのも、つねにあてはまるわけではない。


 地方によってはなかなか心を開いてくれない人が多い場所もあるし、謹厳・実直な気風の町もある。


 イタリアのいろいろな地方を取材していると、「イタリア人の典型」、という言葉がどういう人を指すのかわからなくなってくる。


 これから書こうと思っている三人は、「イタリア人の典型」かどうかはわからない。でもイタリアだからこそ出会えたと思う、強烈な個性の持ち主たちだ。


プーリアのガキ大将



 庭でもぎ取ったイチジクを「ほらっ」とぶっきらぼうに差し出す。


 少し荒っぽい歓迎を受けて、プーリア州の旅は始まった。


 歓迎してくれたのは、プーリアの取材の案内役、ジョヴァンニのおじさん、オラツィオ。通称ジオ。


 イタリアの地方をまわっていると、さまざまな“子供おやじ”とでもいうべき人に出会う。いい年齢をしたおやじなのにあまりにも子供っぽい人たちだ。


 ジオは、今まで出会ったなかでいちばん子供おやじ指数の高い男だった。年齢はもう七〇歳を超えている。


 プーリアでは、州都バーリからから約五○キロくらいのところにあるファザーノという町のマッセリア(農園領主の館を利用したプーリア特有の宿泊施設)を取材の拠点にした。


 そのマッセリアの近くにジオは住んでいる。ジョヴァンニが、どうしても会わせたい人がいると言って、僕らを真っ先に連れて行ったのがジオのところだった。


 だが、連れて行かれた理由がさっぱりわからない。


 ジオは、『イタリア好き』の取材の対象になりそうな生産者でも料理人でもない。


 ジョヴァンニが人生の師と仰ぐ人だから、まずは紹介しておこうということなのか。あるいは、町の顔役だから、仁義をきっておけということだろうか。


 とにかくジオの機嫌を損なわないようにしたほうがよさそうだ。


 そこで、冒頭の荒っぽい歓迎である。やり方はぶっきらぼうだったが、ジオのくれたイチジクはフィオローネ(早生イチジク)という種類で、最高においしかった。

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