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世の中がわかる「○○主義」の基礎知識
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生き方・教養
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Chapter8 貧しきことは美しきかな?

『世の中がわかる「○○主義」の基礎知識』
[著]吉岡友治 [発行]PHP研究所


読了目安時間:13分
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拝金主義

快楽主義(エピキュリアニズム/ヘドニズム)

禁欲主義(ストイシズム)

清貧主義


拝金主義はカッコいい?


 ここ二十年ほど、日本ではさまざまな「理想の生活」が言われてきた。いわく自然との共生だのシンプル・ライフだのLOHASだの……。しかし、さまざまな理想が通り過ぎたあと、結局残ったのは「世の中、金がすべて」という拝金主義(mammonism)だけだったかもしれない。


 マモンとは財産・強欲の神だから、ひたすら金を貯めることに価値を見いだす考え方だ。それ以外のことは取るに足らないから気にしない。さるIT企業の若手経営者が言った「金で買えないものはない」という言いぐさも、この考え方の典型だろう。


 拝金主義に対しては、世間は複雑な反応を見せる。もちろん、一つはあからさまな嫌悪。「汚らわしい」「醜い」など最大級の言葉で侮蔑する。ただ、最大級の侮蔑の裏にはいつも反対の感情が潜む。この場合も、嫌悪の裏には羨望が透けて見える。それは単に金持ちに対する(ねた)みだけではない。拝金主義には自由の観念がまとわりつくのだ。


 そもそも金銭は共同体の中では必要ではなく、その縁や外から発生すると言われる。したがって、拝金主義者は共同体の調和のルールを理解しない余所(よそ)(もの)=不粋者として蔑まれるのだ。でも、その感情はすぐ反対の物にも変わる。共同体のしがらみから解放され、気まま勝手に振る舞える異形の人。ときには「正直」「エネルギッシュ」などという肯定的な評価さえ出てくる。


 ホリエモンに対する評価も、当時はまっぷたつに割れた。しかも、グローバリズムが進行して共同体が崩れていく現在の状態では、共同体に調和するより、そこからはじき出されるほうが、むしろ世界の動きに調和できるのかもしれない。その不安が、露悪的な拝金主義者をますます「カッコよく」見せる。


拝金主義=余所者に対する嫌悪と羨望がない交ぜとなる


二種類の快楽主義


 共同体から自由であるという事情は、快楽主義(epicureanism)にも共通する。この主義を奉じた古代の哲学者エピクロスは「隠れて生きよ」と言った。世間や慣習の外に出て、自分の感覚だけを手がかりに生きよというのである。快楽主義というと、つい酒池肉林みたいなイメージを思い浮かべるが、これは快楽主義でもヘドニズム(hedonism)のほう。

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