『2週間で感動的に元気になる! 医者の「色着きごはん」』
[著]刑部恒男
[発行]すばる舎
うつ病には、胚芽米・納豆・落花生・豚肉・魚・レバーを食べよう
◆つらい「うつ病」を治すには?
うつ病になると、①憂うつで、気分が重い。②何に対しても興味がないし、何をしても楽しくない。③食欲がなかったり、逆に食欲があり過ぎたりする。④眠れない、一日中眠い。⑤イライラして、落ち着かない。⑥疲れやすくて、何もする気がない。⑦自分には価値がないと感じ、何か悪いことをしたと感じて自分を責める。⑧思考力が落ちて、集中できず、決断ができない。⑨死にたくなる。などの、さまざまな症状があらわれます*26。
胃腸の不調などの身体的症状が出ることもあります。
【刑部先生】以前は、薬でうつを治すのが精神医学界の主流でしたが、今は、「減薬」を指導されます。
【太田さん】ボクもときどき睡眠薬のお世話になっていますが、常用しないように強調されますね。
【刑部先生】こういう薬は依存性ができ、だんだんと量が増え、血圧や胃腸にも悪影響を及ぼす危険性もあるんですよ。薬に頼らず、食事、運動、睡眠などの生活習慣を見直して下さい。
精神的ストレスや身体的ストレスがたび重なると、脳に機能障害が起きます。思考が否定的になり、自分はダメな人間だと感じ、普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられて悪循環が起きます。ストレスや代謝異常で神経伝達物質のセロトニンが低下すると不安感や焦燥感があらわれます。
うつ病に効くセロトニンはトリプトファンからつくられます。そのトリプトファンがセロトニンになるにはナイアシン、ビタミンB6、葉酸、鉄、亜鉛、マグネシウムも必要です。これらの栄養素を含む共通食品は、カツオ、サバ、豚肉、レバー、納豆、胚芽米、落花生、牛乳、アサリです。これは、トリプトファンの多い食品とほぼ一致します。
つまり、トリプトファンの多い食品を食べれば、セロトニンがつくられて「うつ病」に効果があるわけです。
◆トリプトファンは、カツオ、サバ、納豆、レバー……などに含まれる
トリプトファンの1日の推奨摂取量は100mgです。
カツオなら3分の1切れ(32g)、サバなら5分の2切れ(43g)、レバーなら1串(37g)、納豆なら2パック(102g)、胚芽米なら茶碗1杯半(0・7合)、落花生なら37粒、牛乳ならコップ1杯(243ml)です。
これらのうち1品摂るだけで1日の必要量を摂取できます。例えば胚芽米を主食にしていれば、それだけでトリプトファンは充分摂取できるのです。ぜひ、胚芽米を主食に取り入れましょう。ただし、トリプトファンの多い食品だけでは亜鉛と鉄が不足するので、アサリを5~6粒(30g)加えると完璧です。うつには鉄分も必要なのです。
●トリプトファンの多い食品(1日に100mg必要)
カツオ 3分の1切
豚肉 3分の1枚
納豆 2パック
胚芽米 1杯半
落花生 37粒