『上手な愛し方[新版]The Rules of Love』
[著]リチャード・テンプラー
[発行]ディスカヴァー・トゥエンティワン
愛、それはシンプルだ。
あなたは家族や友人を愛し、彼らもあなたを愛する。
あなたは愛するパートナーを見つけ、相手もあなたを愛するようになる。
こうした現象は、特別な努力をしなくても自然に起こる。
しかし、そのシンプルで自然なことが、なぜこれほどむずかしいのだろうか。実際、愛はそれぞれ個性的で複雑だ。ときに愛は試され、疑われ、努力を必要とする。
まちがった相手を愛してしまうこともある。
愛しすぎることもあれば、愛が足りないこともある。
どうすれば愛が見つかるのかわからないこともある。
愛を感じても、どう伝えたらよいか言葉が見つからないときもある。
見つけたものが愛かどうか確信できないこともある。
遠ざかっていく愛が、どうすれば元に戻るのかわからないこともある。
愛は一生の大問題なのだ。どうしたら愛する人と出会い、愛を確かめ、それをいつまでも新鮮に長続きさせることができるのだろう。愛することは人間の本能だが、それだけではうまく愛することはむずかしい。愛には取扱説明書が必要なのだ。
わたしが得意とするのは“人を観察すること”だ。本書を書くにあたっても、わたしはあらゆる種類の人を観察し研究した。そこでわかったのは、愛に関してほとんどの人はとても苦労している。しかし、少数ながら、きわめて有能な人が存在するということだ。
愛の達人たちは、どう愛しているのだろうか?
彼らが実行していることで、わたしたちが学べることはあるだろうか?
もちろんある。これから本書で紹介するので、どうぞお読みいただきたい。上手に愛することのできる人が守っているルールを学べば、あなたも上手に愛することができるようになる。
これからご紹介する117のルールは、上手に愛し愛されるために、一生役立つものだ。気持ちのもち方や考え方についてのルールもあれば、具体的な行動についてのルールもある。すぐに実行できるかんたんなものもあれば、取り入れるのに抵抗を感じたり、実行するのがむずかしいものもあるだろう。
ルールの多くは、すでにあなたが知っていることかもしれない。たしかに本書のルールの多くは、目新しいものではない。しかし、それでいいのだ。
愛には“知られざる秘密のテクニック”が隠されてはいない。ただ、なにがいちばん大切かを、ときどき思い出す必要があるだけなのだ。
愛をこめて
リチャード・テンプラー