『120歳まで「悩まず」に元気に生きる方法(KKロングセラーズ)』
[著]浅川雅晴
[発行]PHP研究所
四月は懐かしい思い出が帰ってくる
人はなぜ、桜が美しく咲くのを心待ちにするのだろう。
日本は、その月々の楽しみがあり、素晴らしい国である。桜が咲くと厚いコートを脱ぎ、体も心も軽くなる。
桜の花が好きな人には申し分けないが、僕の心の中は、「桜の葉が秋に黄色、オレンジ色、茶色に紅葉する」、それが楽しみなんです!
なぜ、秋の紅葉のほうが好きなんだろう! 心に尋ねると、桜の季節は受験戦争の余韻が残っている。頭がボ~としている。人が笑ってはしゃいでいるのが、不思議になった思い出がある。
楽しいことに縁が薄い自分を感じることが情けないのだが、朝起きれば、勉強、夜も勉強。夜食で、ひとりチキンラーメンを作る時が唯一密かな楽しみだった。そのせいか、人と同じように楽しめない、へそ曲がりになったのだろう。
桜の季節は、自分の心と向き合ってしまうのが辛いから、いつしか紅葉の方が好きになってしまった。でも桜は人それぞれ懐かしい思い出があるに違いない。
桜の花は凄い
どうして桜は人の心をとらえるのだろう。桜の花は「亡くなった人達の優しい心が詰まっている」と思う。
桜の花は下を向いて咲く(亡くなった人)。
人は顔を上げて花を見る(人を見守っている)。
だから、桜の花には多くの思い出が詰まっているんだろう。僕なりの物語を作って、独り楽しんでいる。
桜の花は凄い!
花が散って一四日目に、桜は来年に咲く花を幾つ咲かせるのかを決めるのだという。凄い!
生命体をもつものは、全て見えない所で次の予定が組み込まれているからで、女性の生理も決まった日に来る。だが、女性にストレスがかかると、決まった日に生理が来ない。
桜の樹だって、地面を人が踏み過ぎたり、動物に皮を削られたりするストレスがかかる。そうなると次の年、桜の花は予定通りの数を咲かせない。
人も樹も生きているものには、優しくしなくてはならない。人が人をイジメるなんてあってはならない。
自分が生きていられることを、当たり前と思っている。そこに間違いがある。