『120歳まで「悩まず」に元気に生きる方法(KKロングセラーズ)』
[著]浅川雅晴
[発行]PHP研究所
球根に生物時計がある彼岸花が咲く時
残暑を残しながら涼しく、淋しげな風が吹く。夜空を見上げると月がとても美しい。草叢でコオロギが鳴いてくる。なぜ九月になるとコオロギが鳴くのだろう。
狐花、「マンジュシャゲ」とも言うが、九月一八日から九月二一日に咲く真っ赤な花がある。お彼岸に咲くから「彼岸花」とも言う。眩しいほど真赤で狐にだまされたような色合いで、まるでこの世の赤ではないようだ。どこから狐花と言うようになったんだろう。
子供の頃から「きまって九月一八日~九月二一日頃花を開かせる。別に九月一〇日だって良いのに?」と不思議に思っていた。
●狐花───球根が玉ねぎみたいになっている。球根に生物時計があり、次に咲く時刻を花が咲き終わってから二週間で決めている。
●彼岸花──球根の上に線香のように真っすぐ伸び、その上に火をつけた形で真赤な花を咲かせる。彼岸の墓参りを忘れるなと言わんばかりに咲く!
お墓参りが終わる。一週間後には彼岸花は美しさの形跡もない。その後、葉が出てくる。太陽の恵みをもらい球根に栄養を蓄える。
時計など持っていないのに、彼岸花は九月二一日に咲くことが不思議だったが、なんだ! 球根に生物時計を持っていたんだ! 狐にだまされたみたいな彼岸花。
僕の個人の感情で申し訳ないが……五月ぐらいから、秋が来るのを心待ちにしている。犬がいるので、夏は散歩も限られた時間でしかできない。早く秋が来ないかなあ~、と心待ちにしている。だから、彼岸花を見るとほっとしてしまう。
誰にも話せない、恥ずかしい、ひとりだけの秘密がある。夏は暑くって暑くってウチの犬は、腹を天上に向け「チンチンも肉球も見える」姿勢で寝ている。見るたび、クスクスと笑いがこぼれる。親馬鹿である。
前ぶれなく老いは訪れる
人は、二五歳を過ぎると、肌の衰えが始まる。