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50歳からの幸せな独立戦略 会社で30年培った経験値を「働きがい」と「稼ぎ」に変える!
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生き方・教養
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第2章 職業人生後半戦の選択肢、どれがベスト?──最もおすすめな「FA独立」とは何か?

『50歳からの幸せな独立戦略 会社で30年培った経験値を「働きがい」と「稼ぎ」に変える!』
[著]前川孝雄 [発行]PHP研究所


読了目安時間:45分
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 企業のミドルにとって、独立は決して無謀な挑戦ではありません。無謀に思えるのは、一つには、前章で説明したように長年働いてきたサラリーマン特有の思い込みに囚われているから。もう一つは、最低限の戦略や準備もなく挑戦しようとするからです。


 つまり、広く世の中を見渡して、サラリーマンカルチャーの枠に囚われずに自分を客観的に見つめることができて、かつ必要な戦略を立ててしかるべき準備をすれば、独立の成功確率はグンと上がるということです。十分なキャリアも人生経験も重ねてきた皆さんにとって、これらはそれほど難しいことではないはずです。



年収1000万円の大企業会社員と
年収360万円のひとり社長、リッチなのはどっち?



 まず、一番あなたが心配している収入面について、脱サラ独立したらどうなるのか、見ていきましょう。


 リクルートワークス研究所「データで見る日本のフリーランス」(2020年3月)によると、フリーランスの中心は、スキル、技術、経験を蓄えた50代男性で、平均年収は営業・販売職で317万円、クリエイティブ職で380万円、ソフトウェア・インターネット関連技術職で393万円となっています。


 大企業で管理職経験のある人からすると、少なく感じるかもしれませんね。実際、独立すると前職年収より下がる場合が多いようです。大企業に勤める管理職なら年収1000万円を上回る人もいるでしょうから、余計に心配になってきたかもしれません。



 ただし、私は、表面的な年収だけで経済的な豊かさを判断するのは早計だと考えています。なぜなら、サラリーマンの場合、年収が高くなればなるほど、そのぶん源泉徴収等で天引きされる税金や社会保険料負担も大きくなるからです。


 勤める従業員の税や社会保険料徴収を企業に義務付ける源泉徴収という仕組みは、国や自治体にとっては取りっぱぐれのない効率的な仕組みながら、企業にとっては多大な手間になりますし、従業員にとっても有無を言わせず税や社会保険料を取られてしまう気持ちの良くないものです。


 さらには、天引きされることに慣れてしまい、自分がどれだけ支払わされているか意識しにくくなり、手取り額しか意識しなくなる人も少なくないでしょう。給与明細書が電子化・簡素化される傾向もあるためなおさらです。


 しかも、給与明細書に表れないところで社会保険料だけでも給与の1516%ぶんなど、別途に一定割合企業に負担させる、巧妙に作られた仕組みにもなっています。今や雇用者が就労者全体の9割を占める時代ですから、大半の国民は丸裸で税や社会保険料は徴収されるにもかかわらず、その痛みを感じにくい構造になっているのです。その結果、税金や社会保険料の使い道を決める政治や行政に対する意識が低くなる悪循環も招いています。



 前置きが長くなりましたが、こうした仕組みの中で飼いならされた状態から脱するためにも、私は独立すべきだと考えています。なぜなら、あらかじめ天引きされた手取り給与ではなく、一度稼いで手にしたお金から税や社会保険料を納める痛みが実感できるため、政治への関心が高まり、何より節税の工夫もできるようになるからです。


 もちろん、日本に暮らし働くからには、税や社会保険料は負担すべきです。しかしコロナ禍のアベノマスクしかり、あまりにも無駄な税の使い方を見るにつけ、徴収される金額はできるだけ抑えて、そのぶん、自分でふるさと納税やNPO団体などに寄付したり、クラウドファンディングで困窮している人や企業を支援するほうがよいとも思います。


 さらにおすすめするのは個人事業主ではなく、やはり会社を設立してひとり社長になることです。個人事業主は個人所得に応じて税金が決まってしまいますが、会社を設立すれば会社の売上げとは関係なく、役員報酬としての個人所得を決める裁量があり、会社と個人両方で課税前に必要経費が使えるようになるからです。


 また、個人事業主は基本的に国民年金に加入することになりますが、将来もらえる国民年金の金額は40年間保険料を支払っても6万円台にしかなりません。しかし、会社を設立すれば厚生年金に加入できるため、将来もらえる年金を増やすことも可能だからです。

稼ぐ金額が同じでも、独立すると年間150万円も自由に使えるお金が増える


 では実際に、年収1000万円の大企業サラリーマンが、脱サラして年収360万円の社長に変わると、月々の給与明細(経営者は役員報酬明細)はどう変わるのでしょうか。


 モデル例を作ってみました。次の図「毎月の給与明細はこう変わる 年収1000万円の会社員vs.年収360万円の経営者」を見てください。細かな設定は家族形態や住む自治体などによって変わるのですが、ざっとシミュレーションすると、年収1000万円の会社員の月々の手取り金額は46万9119円、年収360万円の脱サラ経営者の手取り金額は23万9920円となり、49%弱までしか下がりません。理由は毎月の税と社会保険料負担は3分の1に激減するからです。会社員は別途ボーナスがありますが、業績連動である場合が多く、固定給とはいえません。2020年冬のボーナスはJTBが支給ゼロ、オリエンタルランドが7割カットです。コロナ禍ででその不安定さを実感した人も多いはずです。




 それでも「40万円台の手取りと20万円台の手取りでは全然違う。かなり少ないじゃないか」と思われるかもしれませんね。だから、会社を設立するのです。



 経営者として役員報酬を360万円で固定させたとして、それは会社としての売上げの中から拠出することになります。


 会社員として年収1000万円だったのであれば、仮に設立した会社の年間売上、つまり年商が同じ1000万円稼げたと仮定しましょう(事業を安定させ複数顧客を抱えるようになっていけば、ひとり社長でも年商1000万円は非現実的な数字ではありません)。


 次の図「年収1000万円の会社員より、年収360万円のひとり社長のほうがリッチ」を見てください。年収1000万円の会社員と年商1000万円 (年収360万円)のひとり社長では、会社を通じてであろうが、顧客からダイレクトにであろうが稼ぐ金額は同じです。




 しかし、手もとに残るお金は240万円から280万円へと40万円増えます。かつ、自己研鑽費や交際費など使えるお金も、約460万円から約570万円と110万円も増えます。合わせて150万円自由に使えるお金が増えるのです。


 その理由はシンプルです。先ほどご説明したように、源泉徴収で課税・天引きされる前に必要経費が使えるので、税金や社会保険料を抑えられるからです。もちろん、納める社会保険料に含まれる厚生年金保険料を抑えると、将来もらえる年金は減りますが、そのぶんは増えた手取りから個人として貯めておくなり運用するなりしておけばよいでしょう。


 いかがでしょうか。税や社会保険料などのお金の仕組み・からくりに強くなってどういう収入になるか予測がたてば、独立への心理的ハードルは下がるのではないでしょうか。



 では、企業ミドルがこれらを踏まえて現実的に独立を検討した場合、どのような独立スタイルが有力な選択肢となり得るでしょうか。


 それこそが、これまでに積み重ねてきた経験やスキルを存分に活かし、かつ人を雇わず、借金もせず、初期投資をできる限り抑える「FA独立(フリーエージェント独立)」なのです。このようにひとり社長でスタートし、身の丈に合った事業を身の丈に合った規模で展開することができれば、リスクは大幅に軽減できます。



「第二の職業人生」の多様な選択肢。
それぞれのメリット・デメリットとは?



 まだ「ピンと来ない」「イメージが湧かない」という人もいるかもしれませんね。そこで、この章では、早期退職や定年退職後の選択肢となる、様々な独立・転職スタイルを概観しつつ、FA独立とは何なのか、他の独立・転職スタイルとの違いはどこにあるのかを掘り下げて見ていくことにしましょう。


 企業ミドルが、職業人生後半戦を迎えるにあたり、「このまま今の会社に残る」以外の道を検討した場合、考えられる選択肢にはどのようなものがあるでしょうか。


 それらをマッピングしたのが次の「第二の職業人生転身マップ」です。それまでの経験が活かせる度合いを縦軸に、リスクの大きさを横軸にとると、概ねこのように位置づけることができます。

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