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世界と日本経済大予測2021
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経済・金融
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リスク1 新型コロナウイルス 収束はワクチンの普及次第

『世界と日本経済大予測2021』
[著]渡邉哲也 [発行]PHP研究所


読了目安時間:4分
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 2020年に猛威をふるった新型コロナウイルス感染症。1019日の時点で全世界の感染者数は4000万人を突破、死者は111万人を超えた。死者数を見るとアメリカは21万人超、ブラジルは15万人超と、地方都市がまるまる消滅してしまうような数値を記録している(『日本経済新聞』電子版 新型コロナウイルス感染 世界マップ)


 経済への影響も甚大だ。OECD(経済協力開発機構)は2020年9月に、2020年の世界の実質経済成長率がマイナス4・5%になるとの見通しを発表した。


 感染拡大防止を呼びかけつつ経済対策も取り、そのうえで収束を期待するのは「百年()(せい)()つ」(あてのないことを空しく待つたとえ)の類かもしれない。


 結論を言えば、新型コロナウイルスの収束は、ワクチンがいつまでに、どの程度生産・供給できるかに左右される。


 良質のワクチンを供給できれば通常のインフルエンザと大差なく、リスクは一気に軽減される。ワクチンの開発が遅れ供給できなければ、マスクをする、消毒をする、外出を控えるなど、これまでの基本的な対策を愚直に実行していくしかない。


 2020年8月半ばの段階で、第2相臨床試験まで通過している製薬会社は8社程度。英アストラゼネカは、日本向けに2021年初頭から1億2000万回分のワクチン供給が可能となる体制を構築すると発表した。また、独BioNTechと共同開発を進めている米ファイザーも2021年上半期から日本向けに同規模のワクチン提供を発表している。


 これらが予定通り提供され効果を発揮できるかどうか、それが新型コロナウイルス感染症の()(すう)を握っていると言っても過言ではない。

ウイルスが変異する可能性も


 ただし、新型コロナウイルスがもつ「変異しやすい性質」には注意が必要だ。ワクチンを開発しても、それがどの程度効果があるかは未知数である。


 インフルエンザのワクチンもウイルスの型が変わるたびに変更されるように、新型コロナウイルスも単一のワクチンでは済まなくなっていく可能性は十分にある。変異に合わせて作り替えるとしたら、全世界から新型コロナウイルスを一掃するのは容易ではない。


 もっとも、ウイルスは変異の過程で強毒型が生まれる可能性は低いとも言われる。専門家ではないので断言は避けるが、強毒型はウイルスが人間に寄生して増殖すると考えた場合に、自らの存続をも(おびや)かすため、一般的には弱毒型が広がっていく可能性が高い。


 また、若年層の重症化リスクは低く、高齢者と糖尿病等の基礎疾患がある人は重症化しやすいという特徴も明らかになってきたため、以前よりパニックは抑えられるようになった。実際、各国がロックダウン(都市封鎖)を避けつつ医療機関の状況に合わせて満床化しない、医療崩壊による死者を出さない方向に(かじ)を切った。それが「ウィズコロナ」と言われる状況である。

スペイン風邪より長引くことはない


 こうしたなか、医療機関における新型コロナウイルス感染症への対処法が確立されてきたことも見逃せない。


 新型コロナウイルスによって引き起こされる最も顕著な症状は血管炎だ。血管炎にステロイド療法は効かないと言われていたが、徐々にその効果が認められ、イタリアでは致死率が急激に低下。世界全体で見ても致死率は低くなっている(無症状感染者は増えている)


 そもそも、世界で感染者数が3700万人を超えたとされるが、季節性インフルエンザも、その程度の感染者は出るわけで、数字そのものは驚くほどではない。


 このような事情を考慮すると、ワクチンの接種とワクチンの効果が見えてきたところで、一定程度の収束と判断できる状況になることは予想がつく。


 1918年に世界的に流行したスペイン風邪は、終息までにおよそ2年かかっている。当時の医療技術、衛生環境、通信メディアのレベルは現在とは比べものにならないほど低かったが、地球上の移動も現在よりはるかに少なかった。100年前とは条件がまったく異なるため、同一に考えることはできない。


 さらに、開発中のワクチンを考慮すれば、新型コロナウイルスは2年を要さず抑え込める可能性はある。ただし、そうであっても新型コロナウイルスが消滅するという話ではない。社会的パニック状況からの脱却は意外に早くても、その影響は、中長期的に続いていくと考えるべきである。

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