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最後のイタコ
評価点52018-08-05
最後のイタコ
人生の中で、心霊番組でたまに紹介されたイタコを見て、

「知っている気分」だった自分を恥じた。

この本は、オカルト好きなイタコ研究者が調査して書いたものでも、

民俗学研究者が学術的に書いたものでもなく、

松田広子さんという一人の女性が、

どういう幼少を過ごし、イタコにあこがれ、イタコを目指し、

そしてイタコを生業とし続けるまでの半生を

等身大の言葉で綴っているものだ。

どこか別世界に住むイタコではなくて、

普通の女性がイタコをやっているんだということがよくわかる。

親近感もあるし、共感もできる。

われわれのほとんどは、死者が見えず

死者の声も聞こえない。

なくなった家族や先祖に、直接「ありがとう」や「ごめんなさい」も言えない。

この一言が言えないだけに、何十年も後悔を抱えることになったりするものだ。

この本を読み終え、

そんな気持ちが去来したときは、

松田広子さんのところへいけばいいんだな。と、

私の心も軽くなった。